最終更新:2024年6月26日
シミの原因はメラノサイトで生成されるメラニン色素です。メラニン色素は、本来なら肌の新陳代謝によってアカと一緒に剥がれ落ちるのですが、何らかの原因でメラニン色素が作られ続けたり、肌表面に滞留し続けたりすることがあります。
このメラニン生成を抑える成分のことを、一般的に美白成分と呼んでいます。その中で、厚生労働省により「メラニンの生成を抑え、シミやソバカスを防ぐ」効能がある、あるいはこれに類似した効能があると認められた成分が「美白有効成分」です。美白有効成分にはプラセンタエキス、トラネキサム酸、ビタミンC誘導体、アルブチン、コウジ酸などがあり、これらの美白有効成分を規定量配合した化粧品が、医薬部外品となります。
医薬部外品は効能をうたうことができる反面、安全性を考慮して配合できる量が決められています。一般的な化粧品の方が多く配合されている場合もありますが、医薬部外品以外は効能をうたうことができなく、配合量までは分かりません。
ただし、化粧品は全成分表示が義務づけられているため、商品の裏に記載されている成分名を見て、美白に役立つ成分が配合されているかどうかを確認することはできます。
美白成分を徹底攻略
シミができる原因とメカニズム
シミ・ソバカスが肌に形成される主な原因は紫外線ですが、そのほかにストレスや女性ホルモンの乱れなども影響します。
強い紫外線による刺激が、肌の表皮にあるケラチノサイト(角化細胞)に加えられると、表皮の基底層にあるメラノサイト(色素細胞)にシグナルが出され、メラニンを合成するように指令が下ります。シグナルを受けたメラノサイトでは、酸化酵素チシロナーゼが作用し、チロシンというアミノ酸を変化させて、シミ・ソバカスの原因となるメラニンを形成します。
メラニンは、再び肌の表皮にあるケラチノサイトに送られ、肌の表面上に浮き出てくるようになります。つまり、肌のシミやソバカスは、表皮に沈着したメラニンが、肌の表面から薄く透けて見えている状態なのです。
UVケアだけでは不十分!美白成分を力強い味方に
このように人間の体には、紫外線を浴びるとシミ・ソバカスの原因となるメラニンが作られる仕組みが備わっているため、普段から紫外線対策をきちんと行うことがとても重要です。
しかし、頑張って1年中UVケアを行い、紫外線をブロックしていればそれで良いというわけではありません。
シミ・ソバカスを作らない、あるいは目立たなくするためには、メラニンの生成を抑え、肌に滞留しているメラニンを排出するケアが必要となります。
そこで選びたいのが、美白成分※(美白有効成分)の入った化粧品。美白成分の1つであるトラネキサム酸は、チロシナーゼがチロシンに作用するのを防ぎ、メラニンを作らせないように働きかけることを目的としています。ハイドロキノンはできてしまったシミに働きかけ、シミを薄くすることを目的としている成分です。
ただし、これらの“美白成分”と呼ばれるものは「すでにできているシミを完全に消すわけではなく、シミをできにくくすることを目的」としています。同じ場所でメラニンが生成され続けるのを少しでも抑えることで、シミを薄くすることが期待できるのです。
また、シミを薄くするためには、ターンオーバー(肌の新陳代謝)を整えることも大切です。ターンオーバーとは、約28日周期で表皮細胞が生まれ変わる働きのことです。ターンオーバーが適切に行われていれば、紫外線によって作られたメラニンはターンオーバーとともに排出されますが、ターンオーバーのサイクルが滞って古い角質が表皮に残ってしまうと、メラニンが排出されないまま肌に残ってしまいます。
ターンオーバーのサイクルは加齢にともなって遅くなるといわれているため、美白ケアではターンオーバーを整えるのに役立つ成分も選びたいものです。
※ここでの美白成分とは、メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスなどを防ぐ働きのことをいいます。
美白成分について
トラネキサム酸
もともとは、抗炎症や抗アレルギーの薬として用いられていたトラネキサム酸は、メラニン色素の活性化を抑える働きがあることから、美白効果も期待されるようになりました。
厚生労働省が認可する有効成分の1つで、紫外線によるシミ・ソバカスを防ぐ効果が期待できるとされています。そのため、シミ・ソバカスが気になる方向けの化粧品に配合されることが多いのが特徴です。
白金ナノコロイド
白金ナノコロイドは、プラチナを10億分の2メートル(1ナノメートル)まで微細化した成分です。白金ナノコロイドは抗酸化力が強く、食品添加物として厚生労働省の認可を受けています。紫外線を浴びると発生する活性酸素は肌の老化原因の1つであり、シミやソバカスの原因にもなります。現在化粧品分野においても、白金ナノコロイドの持つ抗酸化力が注目されています。
ハイドロキノン
美白効果が高いとされるハイドロキノンは、もともと医師の処方が必要な成分でしたが、2001年より化粧品に規定量での配合が認められるようになり、美白化粧品の成分として用いられています。ハイドロキノンは肌への刺激が出やすいため、お肌の弱い方はハイドロキノン配合の化粧品を使用する前に、パッチテストを行うことをおすすめします。
プラセンタエキス
プラセンタエキスは、豚や馬などの胎盤から抽出したエキスです。胎盤に含まれているアミノ酸やタンパク質、ビタミン・ミネラルなどの豊富な栄養素が肌にも効果があるとされ、化粧品の有用成分として幅広く使用されています。また、新陳代謝を促しメラニンを排出する作用もあるため、保湿や血行促進だけでなく、美白効果も期待されるようになりました。
スキンケア成分の最新記事
美白成分とは
保湿成分とは
毛穴ケア成分とは
たるみケア成分とは